旅行や日々のグルメ探訪に!ライターが自腹で本気レビューする福岡のレストラン情報。

【村上春樹『騎士団長殺し』オマージュ】福岡空港のやまや「めんたいのり弁ドッグ」空飛ぶイデア編 ANA FESTA 福岡11番ゲート店(博多区下臼井)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

  2019/08/11   ※記事公開時の日付です

 

 

あたしにはそれほど多くの時間があらない

9時台の羽田行きに乗るために、あたしは福岡空港へ急ぐ。たいていの場合は二日酔いか寝不足、あるいはそのどちらかである。こういうときは飲みすぎないように重々気をつけておるのだが、あれはどうもいかん。せっかく注いでもらったお酒は残すわけにはあらない。諸君もそういうことがあらないわけではないだろう。

 

まあ、よろしい。あたしにはそれほど多くの時間があらない。南ゲートで手荷物検査を済ませて、搭乗ゲートへ急ぐとしよう。あたしのような小さい者が歩いていくには、いささか遠すぎるような気がしておる。12番ゲートまではけっこう距離があるのだ。

どんなことがあっても前に進まなければならない

 

ゲートまであと数十メートルというところで、あたしは売店でおかしなものが売られていることに気がついた。それが「めんたいのり弁ドッグ」だ。

お土産や軽食が売られておる

多すぎるなら残せばよろしい

めんたいのり弁ドッグは1個486円

 

明太子で知られておる「やまや」の限定商品のようだ。手に取るか取らないか。諸君ならどちらであるか?

 

諸君には初めて述べることであるが、あたしはちくわの磯辺揚げを好んでおる。のり弁ならなおさらのこと、ちくわの磯辺揚げなしにはのり弁ではあらない。それほどあたしはちくわの磯辺揚げのことを考えておるのだ。

 

イデアだって時には食事を摂りたくなろう。二日酔いではあるがこの機会を逃すべきではあらない。あたしはサンドイッチの山に手を伸ばしてレジで勘定を済ませ、めんたいのり弁ドッグを抱えて再びゲートへと向かった。

 

店頭のラックに並んでおる

 

のり弁といえば白身フライ、タルタルソース、きんぴら、おかか、のり、そしてちくわの磯辺揚げである。この「めんたいのり弁ドッグ」には、さらに明太子も入っておるようで、あたしにとってはうれしいことなのだ。

 

パンはかなり大ぶりであるが、多すぎるなら残せばよろしい。きっとそれは、あらかじめ決定されていたことなのだ。パックを閉めれば機内でだって食べることができるのだよ。

夢中でそのめんたいのり弁ドッグを

右側がちくわの磯辺揚げだ

 

パンなのだから、いくらなんでも本物の「のり弁」とは一緒であらないだろう。そう思って食べてみると諸君は惑わされるであろう。疑いようもなくこれは「のり弁」だ。ホットドッグの姿をした「のり弁」なのだ。

 

右と左では具が違っておるから、諸君の選ぶほうで運命がわかれる。右から食べれば明太子に近く、左は白身フライだ。一見異なるアプローチをしているようであるが、そうではあらない。すべてはどこかで結びついておるのだ。

 

おかかが案外良い仕事をしておる

 

冷めてはいるがホクホクとした白身魚。シャキシャキとしたレンコンのきんぴら。そして、明太子。白飯のお供だと思っていたこれらのものたちは、なんとパンにも合うではないか。

 

パンはレジで温めてもらったからか、少々しっとりとしておる。長い間生きておったが、こんな味は体験したことがあらない。あたしは夢中でそのめんたいのり弁ドッグをたいらげた。

 

これが最後の晩餐になるであろうことはわかっておったのだ。あたしは単なるイデアである。さあ、あたしを殺すのだ。搭乗まであまり時間はあらない。

 

 

※記事の内容は取材時点のものです。

安永真由

ライター/ディレクター

ラーメンやうどんなど麺類を愛する。ほかにはカレー/卵料理/純喫茶/洋食/古い店/お酒全般。辛いものを食べるときは汗だくになります。

 

■店舗情報

店名 ANA FESTA 福岡11番ゲート店
ジャンル パン、ホットドッグ
TEL
  • 092-621-4049

住所 福岡県福岡市博多区下臼井767-1 福岡空港国内線旅客ターミナルビル2階 (ゲート内)
交通手段 地下鉄福岡空港駅直結
営業時間
  • 6:00~最終便出発まで

定休日 なし

関連記事
Related article