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福岡中国料理の繁盛店「福天」で「辛い麺」3品を一気に平らげる 福天(中央区荒戸)

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  2018/12/04   ※記事公開時の日付です

 

 

 

福岡の中心地から少し離れた、決して好立地とは言えない場所に立つ中国料理店『福天』は、しかし、2002年の開業から中国本場の味を求める常連客で賑わう人気店だ。今回は四川料理をメインに据えるこの店で、3種類の「辛い麺」を食べ尽くした。

特級の資格を持つ中国人料理長

『福天』は本格的な中国料理レストランだ。周辺の人だけを相手にした中華食堂ならいざ知らず、この場所で常連客の心と舌と胃袋をしっかりとつかみ、16年もの間、人気店であり続けていることに、ぼくは心からの敬意を抱いている。

 

店については、これ以上の説明はいらない、とさえ思う。少なくとも「一度は行ってみる価値がある」ということだ。気に入れば、生活エリアから遠かったとしても、あなたの「行きつけの店」になるだろう。『福天』はそんな店だ。

 

でも、そんなことを言ってしまえば、物書き家業、あがったり、である。もう少しだけ、お店のことを。

 

4年間暮らした上海から福岡に戻ってきた10年ほど前、初来店の際に紹介してもらったオーナーに「料理長は中国の人ですよね」と尋ねたのは、調味料の使い方が、まさに本格的だったからである。中国人料理長は中国で「特級」の資格を持っているそうだ。

 

四川料理店として開業した福天だが、そこはそれ、ニーズに合わせて、広東や福建の味を取り入れ、さらには北京料理や上海料理もメニューに並ぶ。老若男女、誰にでも対応できる懐の深い構成である。

 

でも、やっぱりこの店の真骨頂は「四川料理」だと、ぼくは思う。というわけで、今日のコンセプトは四川らしい「辛い麺」である。いざ、吃吧!

満腹必至の炭水化物コンビネーション

福天ランチコースを二人で4品注文するというのもいい選択だと思う。

 

 

 

「優柔不断が洋服を着て歩いている」と言われるぼくだから、普段ならば大いに迷うところだが、今日は「辛い麺を食べる」というコンセプトがあるから、素早く、男らしく注文を終える。

 

麺ランチはどれも1080円。しっかり1人前の麺料理にチャーハン(けっこうなボリュームがある)と、デザート(もしくはコーヒー)がつく。先に言っておくと、炭水化物祭りになるし、かなり満腹になる。

 

でもほら、中華料理店でのランチですよ。ここは背徳の喜びを味わうために、カロリーなど気にせず平らげようではないか。なあ、同志(トンツー)よ。

ほどよい辛さの担々麺はヤミツキ要素も

まずは固定ファンの多い人気メニュー「汁なしタンタン麺」だ。芝麻醤、ピーナッツバターがメインなのだろう、見た目は白っぽいが、ちゃんと唐辛子の辛味も感じられる。おそらく手もみで軽くウェーブをつけた中太麺がもちもちと心地よい噛み応えだ。

 

見た目は善良すぎるが、ちゃんと棘は持っています、ふふふふ。

 

 

 

メニューには表記がないが、中華卵スープがついてくるのは、汁好きには嬉しい限りである。トマトが入ってさっぱり。口中をほどよくリフレッシュしてくれる。

 

中華店に来たら、どうしてもスープが飲みたい人は少なくないと思う。

 

 

 

蛇足だけど、そもそも担々麺は汁なしが基本である。天秤棒で麺とアンを「担いで」売り歩いていたのが名前の由来だと言われる。日本では汁そばとして広がったが、これはラーメンが好きな日本人向けに、かの陳建民がアレンジしたからだというのは有名な話だ。

 

福天の汁なしタンタン麺、尖った要素がないのに、独特の香りにまた食べたくなる。勝手に辛さの5段階評価をするとすれば、辛さ2.3。ピリ辛なので、辛さにあまり強くないという人でも、安心して食べられる。

熱くて辛くてさっぱりのスーラータンメン

次は「福天酢辣湯麺」(スーラータンメン)である。「酸辣」ではなく「酢辣」という表記が目を引く。片栗粉でとろり、トロミがついたスープには、細切りのタケノコ、シイタケ、豚肉、豆腐、エノキダケが入る。ぼくは「酸辣湯」は具が全部細切りであってほしいと願うタイプなので、この感じはたまらなくいい。

 

酸辣湯麺は様々なバージョンがあるが、これをスタンダードと、ぼくは呼びたい。

 

 

 

麺はストレート角麺。切り刃は20番だと思う。博多のラーメンよりは太いが、中細とまではいかないくらいの太さ。あえて個性がなくて、それがよい。

 

無意識にすすったら、口の中が大火事になる。控えめに言って、死ぬほど熱い。

 

 

 

辛味は白胡椒がしっかりと効いていて、上面にかかった辣油は、辛さというよりも香りづけという役割が大きい。強烈な辛さではないのだが、食べているうちにスープの熱さと麺の熱さ(運ばれてきてしばらくは、すすれないほど熱い!)とも相まって、汗がとまらない。辛さは熱さとの相乗効果で2.5

 

辛いのに、そしてスープは軽くないのに、酢でさっぱり。酸辣湯って、素晴らしい設計なんだな、とあらためて思う。

辛さは強烈ではないのに吹き出す汗

ラストは「四川風牛肉激辛麺」である。メニュー名は「牛肉麺」だけでもいいところに、あえて「激辛」を、しかも色を変えて挿入したところに、「気をつけてくださいね」という店側の配慮が感じられる。没問題。好きなんです、辛い料理が。

 

なぜか試されている気がするくらいに赤い。

 

 

 

ほら、来た。どうだ、この赤さ。四川料理を食べに来たのだ。これくらい赤くなくてはね。スープをひと口。うむ、なかなかの辛さだ。

 

さっぱり、さらりとしているが、シメジ、エリンギ、フクロダケ、マッシュルームといったキノコ類の旨味がしっかりと入り、そして、当然ながら、牛肉の味わいがとけこんだリッチなスープである。

 

ビロビロ麺は、唇も舌も、歯も喜ばせてくれる。

 

 

 

麺は幅広の縮れ麺。硬い歯ごたえを想像していたけれど、ふっくら弾力がある。スープをすすって、ゴロゴロの牛肉をかじり、麺をすすれば、ときおり香菜の香りがふっと立って、まあ、なんとも四川です。タケノコと青梗菜のテクスチャーで飽きずに食べ進められるのもいい。

 

辛さは、うん、見た目ほど辛くはないな、と思いつつも、いやいや、なんだろう、この汗は。頭のてっぺんから吹き出す汗を、おしぼりで拭きながら、唐辛子を体で感じる。ストレートな辛さ。ピリッと辛いが、スッと引いていく。

 

この辛タイムの短さに、思わずスープを続けてすすり、それで思った以上に発汗したのではないか、というのが、ぼくの仮説だ。一滴残さず、食べ終えたら、汗だくな上に胃が熱い。これ、思った以上に辛いんだ、きっと。

 

とは言いつつも、舌で感じた辛さは3.2。うん、ちょうどいい刺激だ。

 

そして4本の唐辛子だけが残った。

杏仁豆腐で振り返り

個性がないからこそ「休憩地点」としての役割を果たしてくれる。

 

 

セットのチャーハンは、塩味が薄めで、脇役に徹しているところが素晴らしい。エビが多くて、なかなかリッチだ。

 

 

 

セットメニューについてくる杏仁豆腐について語ることほど難しいことはない、という気もする。

 

 

 

杏仁豆腐は辛さとの戦いを振り返るのに、良いアイテムではないだろうか。なぜだろう、辛いものを食べきった後の、意味のない達成感は。この根拠のない「何かを成し遂げた」ような気持ちを感じたくて、ぼくはきっとまた激辛牛肉麺をすするのだろう。

元木哲三

ライター

鶏肉屋の三男として生まれたせいで幼い頃から飲食店が近しい存在で、飲めるようになってからは一日も酒を欠かしたことはなく、立飲みから高級店まで、まあ図々しく呑み喰い語る日々。今日も反省なく喰らう、喰らう。

 

■店舗情報

店名 福天
ジャンル 中国料理、四川料理、麺、激辛
TEL 092-403-6068
住所 福岡市中央区荒戸2-3-42 ルピエ荒戸1F
交通手段 地下鉄「大濠公園駅」1番出口より徒歩3分
営業時間 11:00~14:00(LO) ※土・日・祝日は~14:30(LO) 、17:30〜22:30(LO21:30)
定休日 なし

 

 

 

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