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豚骨王国福岡に挑む、淡麗系ラーメンの新店 麺や 佐渡友(東区三苫)

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「醤油らー麺」600円。化学調味料など添加物は一切使わず、魚介系素材の旨味をしっかりと引き出したスープに、細くしなやかな自家製ストレート麺が静かに佇む。

「醤油らー麺」600円。化学調味料不使用のスープに細くしなやかな自家製ストレート麺が静かに佇む。

三苫に「脱豚骨」の新店が12/17オープン

福岡は全国にも知られる「豚骨王国」である。街を歩けば豚骨スープの香りが漂い、石を投げれば豚骨ラーメン店に当たるというのは、あながち間違いでもない。「豚骨ラーメンでないものはラーメンに非ず」。長年、福岡でそんな排他的価値観が蔓延っていたのは紛れもない事実だ。

 

しかしここ数年、福岡にもようやく豚骨以外のラーメンを出す店が増えはじめ、いわゆる「脱豚骨」というムーブメントが加速しつつある。暮れも押し迫った12月17日、三苫の街道沿いに脱豚骨ラーメンの新店がまた一軒オープンした。

 

白を基調にした明るく清潔感のある外観は、ラーメン店というよりも和食店のような雰囲気。店内はテーブル席がメインで厨房に面する形でカウンターもある。若いご夫婦お二人で営まれているようで、優しい接客が心地よく感じる。家族連れの客が多く、子供からお年寄りまでまさに老若男女に愛されている。

すっきり無添加スープにしなやかな自家製麺

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珍しい店名の「佐渡友」(さどとも)とは、ご主人の苗字そのまま。気になるラーメンは醤油ラーメン一本という潔さ。鶏ガラや野菜をベースにした透明なスープに、魚介系の味わいが優しく広がる。そこに醤油の甘く豊潤な香りと、黒胡椒の風味が加わることで、軽やかなのに物足りなさを感じさせないスープになっている。

 

麺は厨房に置かれた製麺機で作る自家製麺。しっかりと茹でられてしなやかな食感の中細ストレート麺は、バリカタ極細の博多ラーメンとは真逆の存在だが、まろやかな味わいのスープとの親和性が高い。なお、博多ラーメンにはよく見られる「替玉」というシステムがこの店にはないので、普段から替玉必須の人は100円増しで大盛を頼むと良いだろう。

 

具はしっとり柔らかなチャーシューが二枚と、ネギ、カイワレというシンプルな構成。好意的に捉えれば麺とスープに集中出来る構成と言えそうだが、ビジュアル的にやや寂しさがあることは否めず、ここにメンマなどもう一品何かが乗っていても悪くないかなとは思った。

東京にもない淡麗系の新たな味わい

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醤油ラーメン一本ではメニューにやや物足りなさを感じるかもしれないが、基本となる醤油らぁ麺のバリエーションとして、スープに背脂を浮かべた「こってり」と、魚介の旨味を増加させた「魚介ガツン」も用意されているので、何度来ても飽きることがない。さらに「かしわおにぎり」や「明太ご飯」などのご飯ものや、「一口焼き餃子」「枝豆」などのサイドメニューもあるので、軽く一杯飲むのにも使えそうだ。

 

日本蕎麦やうどんを想起させるような、東京の醤油ラーメンとも異なる新たな形の淡麗系醤油ラーメンの新店。豚骨至上主義の福岡で通用するかどうかが気になるところだが、化学調味料に頼らない誠実な味作りと優しくフレンドリーな接客があれば、間違いなく脱豚骨の新潮流に乗った人気店になっていくことだろう。

山路力也

フードジャーナリスト・ラーメン評論家

東京生まれの横浜育ちで千葉在住。それなのになぜか福岡のお店を食べまくり、なぜか「シティ情報Fukuoka」で連載もしているフードジャーナリスト。「作り手の顔が見える料理」をこよなく愛している。

 

■店舗情報

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店名 麺や 佐渡友
ジャンル ラーメン
TEL 092-410-3542
住所 福岡県福岡市東区三苫6-13-38
交通手段 西鉄貝塚線「三苫」駅より徒歩4分
営業時間 11:00〜19:30(LO)
定休日 不定休

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